賃貸住宅研究  原状回復総論4  presented by  ライフサポート・ラボ

原状回復編 賃貸site

ガイドラインに見る原状回復の具体的な視点1              「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」より


(1)賃借人の負担対象事象

 
A:賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるもの( 経年変化か、通常損耗)
⇒ 賃貸借契約の性質上、賃貸借契約期間中の賃料でカバー
賃借人はこれらを修繕等する義務を負わず、この場合の費用は賃貸人が負担することとなる
  A(十G):賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生するもの(賃貸借契約期間中の賃料でカバー、賃借人は修繕等をする義務を負わない)ので 建物価値を増大させるような修繕をする義務を負うことはない
この場合の費用についても賃貸人が負担することとなる。
 
A(十B):賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生するものであるが、その後の手入れ等賃借人の管理が悪く、損耗が発生・拡大したと考えられるもの
⇒損耗の拡大について、賃借人に善管注意義務違反等がある
賃借人には原状回復義務が発生し、賃借人が負担すべき費用の検討が必要になる。
 
B:賃借人の住まい方、使い方次第で発生したりしなかったりすると考えられるものは 通常使用により生ずる損耗とはいえない(故意・過失、善管注意義務違反等を含む)。
賃借人に原状回復義務が発生し、賃借人が負担すべき費用の検討が必要になる。
 

なお、これらの区分は、あくまで一般的な事例を想定したものであり、個々の事象において は、A・B・Gを明確に区分することは難しい。しかも、損耗等の状況や度合いから負担割合を客観的・合理的に導き出すことができ、かつ、社会的にもコンセンサスの得られた基準等が存在していないこと、また、あまりにも詳細な基準は実務的にも煩雑となり、現実的でないこともある。